2022年3月の福島沖地震では被害を受けた火力発電所が停止し、東京電力、東北電力管内で初の「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」が発令された。進まない原発再稼働、火力発電所の老朽化などで電力需給は構造的に逼迫した状態にあり、この先も綱渡りが続く。政府は夏に向けて家庭や企業に節電を呼び掛けている。
東日本大震災を契機に停止した原子力発電所の再稼働が進まなことに加え、老朽化した火力発電所の廃止が相次ぎ、電力の供給力が低下している。政府は、夏に向けて家庭と企業に経済活動に支障のない範囲でできる限りの節電協力を求めた。全国規模の節電要請は2015年度以来。
電力の安定供給には、需要に対する供給余力を示す予備率が最低限3%必要とされている。経済産業省の電力需給見通しによると、2022年夏が10年に一度の厳しい暑さとなった場合、7月に東北、東京、中部の3電力管内で予備率が3.1%と最低ラインぎりぎりまで低下する。北陸、関西、中国、四国、九州の各管内でも3.8%と予断を許さない水準となる。
電気の使用量と発電量のバランスが崩れると大規模停電が発生、社会・経済の混乱をきたしかねない。政府は、家庭の冷房は熱中症に留意した上で28度に設定するよう求めるほか、企業への節電要請や、休止した火力発電所の再稼働などの対策を総出動する。
冬の寒さが厳しくなると、予備率は全国的に一段と低下する。2023年1~2月には東電管内で予備率がマイナスとなり、中部、北陸、関西、中国、四国、九州の6電力管内でも3%を割り込む見通しとなっている。
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