令和4年7~9月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和4年4~6月期に対し、全国全畜種総平均トン当り11,400円値上げすることを決定しました。
なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。
飼料情勢は以下のとおりです。
1.飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は、ロシアのウクライナ侵攻により3月には750セント/ブッシェル前後まで急騰しました。さらに、米国における作付遅延などから、4月下旬には820セント/ブッシェル前後まで上昇しましたが、その後は米国における作付が順調にすすんだことなどから下落し、現在は770セント/ブッシェル前後となっています。
今後は、北米・南米の天候に左右されるものの、需給は世界的に引き締まった状態が続くことから、相場は堅調に推移するものと見込まれます。
2.大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は、3月には500ドル/トン台で推移していましたが、米国において、バイオディーゼル向け大豆油需要の高まりにより副産物である大豆粕の発生量が増加し需給が緩和していることなどから下落し、現在は470ドル/トン前後となっています。
一方、日本国内の大豆粕価格は、シカゴ定期は下落しているものの、主要輸入相手国である中国で新型コロナウイルスの感染再拡大により大豆搾油量が減少し中国産の調達が困難となったことや、南米産などへの切替により輸送費が増嵩していること、さらに外国為替の円安の影響などから、大幅な値上げが見込まれます。
3.海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、2月上旬には60ドル/トン前後まで下落しましたが、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う原油相場の高騰や、石炭の輸送需要の増加などにより船腹需給が引き締まったことから上昇し、現在は80ドル/トン台となっています。
今後は、原油相場が高止まりしていることに加え、南米産穀物の輸出が本格化することなどから、海上運賃は堅調に推移するものと見込まれます。
4.外国為替
外国為替は、3月前半には115円台で推移していましたが、米国においてインフレ率が高い水準で継続しており、利上げの実施により日米金利差が拡大していることから円安がすすみ、現在は130円台となっています。
今後は、日米の金利差が引き続き拡大する可能性が高いものの、金融引き締めにより米国経済の景気悪化も懸念されることから、相場は一進一退で推移するものと見込まれます。
以上から、とうもろこしのシカゴ定期や大豆粕価格が値上がりしていること、外国為替が円安で推移していることなどから、令和4年7~9月期の配合飼料価格は前期に比べ大幅な値上げとなります。
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