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Friday, August 5, 2022

21年度食料自給力指標 「米麦」供給熱量伸びず 農地・就業者減少響く - 日本農業新聞

 農水省は5日、国内生産だけで供給できる熱量を示す「食料自給力指標」の2021年度の数値をまとめた。米・小麦中心に作付けした場合は、1人・1日当たり1755キロカロリー。前年から変動はないが、体重を保つのに必要な同2169キロカロリーを下回る。芋類を中心に作付けた場合は同72キロカロリー減の2418キロカロリー。いずれの作付けパターンも農地や労働力の減少が響き、供給熱量が上向かない状況だ。

体重維持分なお下回る

 食料自給力指標は、消費量の増減などにも左右される食料自給率と異なり、輸入停止などの不測時にどれだけの食料を供給できるか、潜在的な生産能力を表す。現在の食生活に近い形として「米・麦中心の作付け」、供給熱量の確保を優先した「芋類中心の作付け」の2パターンで示す。

 米・麦中心の作付けの場合、小麦の単収が同52キロ増の499キロ、米は同8キロ増の539キロと供給熱量の押し上げ要因となった。一方、農地が同2・3万ヘクタール減の434・9万ヘクタール、農業就業者数が同7万人減の153万人となるなど押し下げ要因が打ち消し合い、前年と同水準となった。

 芋類中心の作付けの場合は、米・麦中心の作付けより労働力が必要となるため、労働力減少の影響がより強く出た。サツマイモの単収が同10キロ減の2070キロとなったことも響いた。

 同省は飼料自給率も示し、前年度と同じ25%とした。うち、濃厚飼料は同1ポイント増の13%となった。トウモロコシの輸入が減少し、飼料用米の生産が増えたことが寄与した。粗飼料は前年度と同じ76%だった。

 飼料自給率を反映しない「食料国産率」は、カロリーベースで同1ポイント増の47%。小麦や大豆の作付け増などが寄与した。生産額ベースは同2ポイント減の69%。国際的な穀物価格の上昇などが影響した。

 同省は食料・農業・農村基本計画で、30年度に飼料自給率は34%、食料国産率はカロリーベースで53%、生産額ベースで79%とする目標を掲げる。

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