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Monday, August 22, 2022

どうなる今冬のエネルギー供給(上)-LNG、LPG|特集記事|マーケットニュース|マーケットニュース - リム情報開発

 2月に始まったロシアのウクライナ侵攻に終わりが見えないなか、北半球では冬場の暖房シーズンに向けて、エネルギーの需給動向や市況に関心が集まっている。リム情報開発の各レポート担当記者が、8月下旬時点での今冬の見通しをまとめた。

LNG

 12月~20232月のLNGの供給は、欧州や北東アジアを中心にタイト感が強まりそうだ。ロシアによる欧州向けの天然ガスの供給が例年の冬場に比べて減少する公算が大きく、欧州ではLNGに代替供給を求める動きが強まる見込み。米メキシコ湾岸のLNGプロジェクトなど大西洋圏出しの多くが欧州へ仕向けられそうだ。カタールをはじめとした中東出しも例年に比べ、多くが欧州へ仕向けられるだろう。この結果、北東アジア向けの供給拠点でもある中東出しの供給余力が細り、12月以降は北東アジア向けの供給タイト感が強まるとみられている。

 米国では、年間生産量が1,500万トンと大型のフリーポートプロジェクトで6月に火災が発生した影響で、LNGの生産が停止。供給が完全に復旧するのが1月以降にずれ込むとの見方が有力。この点も北半球における冬場のLNG供給のタイト化に拍車をかける可能性がある。一方、ロシアのサハリン2プロジェクト(年産1,080万トン)は、LNGの生産を今後も続けそうだ。このためLNGの購入者が変わる可能性はあるものの、需給全体への影響は軽微に留まる見込み。

LPG

 LPG市場では、中東産ガス社が原油増産に伴いLPGの供給量を増やしている。また、米国産LPGの極東向け輸出量も潤沢と予想される。需要面では、日本および韓国で都市ガス向けに冬場のLPG使用量の増加が見込まれている。韓国ガス公社(KOGAS)はLNG供給逼迫を受けて、LPG使用量を増やす計画を打ち出している。このため、冬場のLPG需給はおおむねバランスするとみられる。

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