【ロンドン=加藤美喜】五日に新党首が発表される英保守党の党首選では、生活費高騰への対策が主要争点となった。特に光熱費は、ロシアによるエネルギー供給削減のあおりで危機的急騰が続き、英国社会で社交場として重要な役割を担ってきたパブにも大きな影響が及んでいる。党首候補の打ち出す対策は十分とは言えず、店主らは「絶滅の危機」と悲鳴を上げる。
「これでは経営がもたない」。ロンドン近郊でパブ二軒と酒屋一軒を営むアレックス・グレイグさん(37)は、来年度の光熱費の見積もりを見て愕然(がくぜん)とした。現行の年間二万五千ポンド(約四百万円)から、四倍の十万ポンドに跳ね上がっていた。
これを賄えるビール一パイント(約五百七十ミリリットル)一杯の価格は七ポンド(約千百三十円)以上。だがグレイグさんのパブでは、四月に五・五ポンドに値上げしたばかりだ。「これでは客が来なくなる。新型コロナウイルス禍をようやく生き延びたのに、小さな店は八方ふさがりのジレンマに陥っている」と話す。
天然ガス供給停止をカードに揺さぶりをかけるロシアの影響で世界的に高騰した燃料価格は、英国企業とともに一般家庭も直撃。家庭の光熱費には上...
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