ベトナム中部タインホア省で8月28日、石炭火力発電所「ギソン2」の完工式が開催された。ギソン2は、ベトナム電力総公社(EVN)に対し、発電所の運転開始から25年間にわたり売電を行う予定だ。ベトナムでは、堅調な経済成長を背景に電力需要が急増する一方、電力需給の逼迫が危惧されており(2022年4月8日記事参照)、同発電所には電力不足解消への貢献が期待される。
同発電所の発電事業会社であるギソン2パワーは、2014年1月に設立された。ギソン2パワーには、丸紅(出資比率:40%)、東北電力(10%)、韓国電力公社(KEPCO、50%)が共同出資し、国際協力銀行をはじめ、日本の金融機関が協調融資をしている。総投資額は約28億ドルで、発電事業はBOT方式(注1)だ。
同発電所の建設は2018年7月に着工され、2022年1月に1号機、7月に2号機が商業運転を開始した。出力規模は2基の合計で120万キロワット(kW)。年間発電量は780万メガワット時(MWh)が見込まれ、これはベトナム全体の発電量の2.8%に相当する。発電された電力は、ベトナム北部向けに供給される。超臨界圧発電方式(SC、注2)を採用し、発電効率の上昇、環境負荷軽減努力を行う。環境負荷軽減装置で、石炭燃焼時に発生する硫黄酸化物SOx(ソックス)、窒素酸化物NOx(ノックス)を取り除く。
石炭火力発電所が新設される一方で、ベトナムは2050年までのカーボンニュートラルを掲げており(2021年11月9日記事参照)、現在策定中の第8次国家電力マスタープラン(PDP8)で、石炭火力から他電源への切り替えなどを調整している。ギソン2パワーの相良博英社長は「ベトナムでは今後、太陽光発電やバイオマスの利用などの事業にも取り組みたい」と語った。
完工式には、グエン・スアン・フック国家主席、レ・バン・タイン副首相、ド・チョン・フン・タインホア省党委員会書記も出席した。タイン副首相は歓迎の言葉とともに、「急速かつ持続可能な経済発展に応えるエネルギーを確保することが重要」と新たな電力供給による事業環境改善の意義を述べた。
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