イーサリアムの共同創設者、ヴィタリック・ブテリン。
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- イーサリアムが「マージ 」を完了した後、イーサ(ETH)の価格は9%も暴落した。
- 「マージ」によってイーサリアムはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行し、ブロックチェーン全体の効率が高まった。
- それによってマイニング報酬は90%削減され、1日あたりわずか1600ETHになった。
待望のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)モデルへの「マージ」完了を受け、仮想通貨イーサ(ETH)の価格は2022年9月15日に9%も暴落した。
「完了した!」
イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)は、アメリカ東部時間午前3時前のツイートでこう述べている。
「ハッピーマージ・オール。これはイーサリアム(Ethereum)のエコシステムにとって大きな瞬間だ。マージの実現に貢献した皆さんはとても誇らしい気持ちになるだろう」
7年近くかけて行われたこのアップデートは、イーサリアム・ブロックチェーンをビットコイン(BTC)のマイニングシステムに似たコンピュータが報酬のために多くの計算力を必要とする複雑な方程式を解くプルーフ・オブ・ワーク(Pow)モデルから、エネルギー効率がよく、高速なものに移行させた。
イーサリアム財団によると、マージが完了したことで、1日のイーサの新規供給量は90%減少するという。マージ前は、毎日約13000ETHが新たにマイニングされていた。現在、ステーク報酬は1日あたりわずか1600ETHとなり、実質的に増加はゼロだ。
「平均ガス価格が16Gwei(1Gwei = 0.000000001ETH)のであれば、毎日少なくとも1600エーテルが燃やされ、マージ後のETHの増加は事実上ゼロ以下になる」とイーサリアムのウェブページには書かれている。
仮想通貨(暗号資産)の供給を制限することは、イーサリアムのブロックチェーンに希少性をもたらし、需要が安定すれば価格を上昇させるのに役立つという見方がある。しかし、ビットコインが過去最高値から70%以上暴落して以来、仮想通貨に対する需要も暴落している。
タカ派の連邦準備制度理事会(FRB)、高いインフレ率、迅速かつ積極的な利上げの組み合わせによって、投資家が魅力的なバリュエーションでキャッシュフローに結びついた安全な投資先を選ぶようになり、株式と仮想通貨という2つのリスク資産を大幅に下落させている。
イーサの最近の値動きは、待望のマージが「噂で買って、ニュースで売るイベント」だったことを示唆していると、Fundstratは投資家向けのノートで述べている。
この合併に先立ち、イーサの価格は6月中旬の安値、約1000ドルから60%以上も急騰した。しかし、アップデート完了後の9%もの急落は、投資家が価格上昇を助けるかもしれない次の潜在的な要因に目を向けていることを示唆している。
Fundstratによると、マージ後の需給改善によってイーサの価格が回復するのは時間の問題だという。
「1日のETHの発行量は約89%減少し、1日の売り圧力は2000万ドル以上減少すると推測される。供給の改善は、今後価格を上昇させる可能性がある」とFundstratは述べている。
(翻訳・編集:Toshihiko Inoue)
からの記事と詳細 ( イーサリアムの「マージ」完了、ETHは9%下落…投資家は供給の適正化による価格回復に期待 - Business Insider Japan )
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