【ワシントン=大内清、坂本一之】日米韓豪など14カ国は27日、米中西部デトロイトで新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合を開き、サプライチェーン(供給網)を強化する協定を結ぶことで合意した。レモンド米商務長官が会合後の記者会見で発表した。米国の主導で昨年5月にIPEFが発足してから約1年で初の成果を打ち出した。
供給網の強化では、新たに協議会を設立し重要部門や物資を特定して調達先を拡充するなど脆弱性の改善を図る。供給網の途絶に備え、IPEFの危機対応ネットワークを構築し、各国が協力して支援する体制を整える。
また強靭な供給網の構築に必要な質の高い労働力を確保するため、労働権に関する諮問機関を立ち上げる。レモンド氏は閣僚会合の成果に関し「将来的な連携の基礎となる合意だ」と意義を強調した。
供給網を巡っては、新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵略で半導体、医薬品、マスクなど、重要物資の供給不足が発生して脆弱性が浮き彫りになった。中国の経済的威圧に対応するためにも同国への過度な依存を回避し、同盟国や友好国と連携した供給網の強靭化が大きな課題となっていた。
今回の合意を通し半導体や重要鉱物、医薬品など経済活動における重要物資の安定調達を可能にする供給網の構築を目指す。
閣僚会合では「供給網」のほかに「貿易」「クリーン経済」「公正な経済」の各分野で協議を進めた。クリーン経済の分野では、次世代技術で注目を集める水素の活用を巡る新たな協力枠組みを立ち上げることで合意した。
日本から参加した西村康稔経済産業相は、「近年のサプライチェーン途絶の影響を最小限にするためにも、信頼性のあるサプライチェーン確保に取り組みたい」と話した。
バイデン米政権は今回の協議進展をテコに、11月に西部サンフランシスコで開催予定のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせてIPEF首脳会合を開き、全体的な合意の取りまとめをしたい考えだ。
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