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Saturday, November 18, 2023

IPEF、供給網巡り協力強化で合意-中国に対抗する米主導の構想 - ブルームバーグ

中国に対抗するバイデン米政権のインド太平洋戦略の核心である経済的枠組みの進展をホワイトハウスは歓迎しているが、バイデン大統領の国内政治における指導力に懸念を抱いている米国の同盟国もある。

  日米韓など14カ国が参加する経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」はサンフランシスコで16日に開いた首脳会合で、サプライチェーンに関連する問題でコミュニケーションと協力を強化することで合意。環境および脱税・汚職といったガバナンスに関する他の「柱」とする2分野の作業もほぼ終えた。

  バイデン米大統領が中国の習近平国家主席と会談した翌日に行われたIPEF首脳会合は、この地域における米国の影響力をアピールするものだが、多くの人々がIPEFの最も重要な要素と考えている強制力のある貿易ルールの交渉を巡る雰囲気は、険悪さが増している。

Leaders Group Photo At The Asia-Pacific Economic Cooperation Summit

バイデン米大統領

Photographer: Philip Pacheco/Bloomberg

  米国の同盟国が疑問視しているのは、バイデン政権が米民主党の一部議員も含む国内の政治的反対を抑えこみ、協定締結にこぎづけることができるかどうかだ。

  米国はオバマ政権時に環太平洋連携協定(TPP)を旗振り役として進めたが、トランプ政権になるとTPPを離脱。アジア太平洋の米同盟国の一部にはこうしたことが再び起きるのではとの懸念が根強い。

  TPPは米国に友好的な国から成る経済圏で中国を取り囲むことを目的としていたが、何年にもわたる厳しい交渉にもかわらず2017年に就任直後のトランプ大統領(当時)がTTP離脱を決めた。

Trade Representative Tai Holds Indo-Pacific Economic Framework Ministerial Meeting

IPEFの閣僚会合(13日)

Photographer: Philip Pacheco/Bloomberg

  アジア太平洋の一角では、TPPを巡る混乱を経たIPEF交渉の遅れはこの地域で巨大経済圏構想「一帯一路」のネットワークを広げようとする中国の熱意とは対照的と受け止められている。こうした意見は貿易に関してバイデン政権との対立を深めている米経済界でも聞かれる。

   全米商工会議所のシニアバイスプレジデント(国際政策担当)、ジョン・マーフィー氏は「IPEFの貿易分野が失敗すれば、この地域における米国の地位にとって打撃となる。トランプ氏のTPP離脱に続き、バイデン大統領が自身の貿易協定を推進できなれば、米国のリーダーシップにとって大きな後退となる」と指摘している。

US Trade With Members

IPEF members are among biggest trading partners for US

Source: Congressional Research Service

原題: US Washout on Indo-Pacific Trade Deal Opens the Door to China(抜粋)

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