中国当局が国内住宅市場のてこ入れに向けた取り組みを強化する中、中国人民銀行(中央銀行)が中心的な役割を担っている。さまざまなプログラムを通じて資金を供給し、必要であれば一段の資金を利用できるようにするとみられる。
人民銀が持つ最新の手段は恐らくこれまでのところ最も強力なものであり、3000億元(約6兆5000億円)の低利資金を市中銀行に 供給し、地方政府による売れ残り住宅の購入原資に充てられる。国内の過剰な住宅在庫を整理し、不動産開発企業の資金繰り改善を図ることが目的だ。
今回の再貸出プログラムは、不動産市場の低迷への対応で人民銀が設けたファシリティーの一つに過ぎない。8都市で昨年開始された試験的なプランでは、銀行や地方政府からの関心は 限定的だった。
エコノミストらは、人民銀の資金供給規模はまだ十分ではないと考えている。ブルームバーグ・エコノミクスによると、最新プログラムの規模は年内に倍増する可能性がある。BNPパリバのアナリストは先月、投資家は最終的に最大3兆元に上る資金放出を期待していると指摘。人民銀がこれまで実施してきたことは「恐らく始まりに過ぎない」との見方を示しているという。
財政支出を通じた政府資金の直接投入とは対照的に、住宅市場支援の前線と中心に人民銀を位置付けることには、幾つかの重要な利点がある。中銀の貸し出しプログラムは迅速に規模を拡大することができるため、さらに市況が落ち込んだ場合でも対応が可能だ。それに比べ、国債発行による資金調達は立法機関の承認が必要になる。
だが、国際通貨基金(IMF)は中国も財政手段が必要になるかもしれないと指摘している。中国は、不動産開発企業に販売済みの未完成住宅プロジェクトを完成させたり、購入者に補償させたりするための資金を提供すべきだという。そうすれば、「支払い不能の開発業者が不動産市場から撤退する道も開ける」と、IMFのゴピナート筆頭副専務理事は先月29日に北京で述べた。
原題: China’s Housing Bailout Needs Ever-Growing Central Bank Toolkit(抜粋)
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