2024/07/05 17:25
工藤宗介=技術ライター
愛知県は、知多市および民間企業13社と連携し、燃料電池車(FCV)向け水素充填所(水素ステーション)を地域の水素供給拠点として導入することを目指す。6月28日に「愛知県知多市における低炭素水素モデルタウンの事業化可能性調査」を開始すると発表した。
愛知県内には、国内最多となる35カ所の水素ステーションが設置されている。同事業では、知多市の水素ステーションをモデルケースとして、商用車を中心としたFCVに加え、燃料電池・給湯器・ボイラーなど業務・家庭部門における地域での新たな水素需要の創出可能性と、水素ステーションを起点に低炭素水素を地域に合理的に供給するシステムの実現可能性を調査する。
低炭素水素は、オンサイトで太陽光発電の電力を使った水電解により製造される水素や、塩水を電気分解して苛性ソーダを生産する工程で同時に生成される塩電解水素など、周辺エリアの動向を踏まえた幅広い調達可能性を検証する。地域の脱炭素化に貢献するサプライチェーンの構築を目指す。
また、既存インフラである知多水素ステーションおよび太陽光発電、地域の廃棄物発電、固定価格買取制度(FIT)の売電期間が満了した再生可能エネルギー発電などの電力、水素の新型輸送容器、将来的な海外水素などの活用によりサプライチェーンの低コスト化を検証する。事業整理に向けた要件を明確化し、県内全域に普及展開できるモデル構築を目指す。
2024年度にモデル構築に向けたFS調査を実施し、2025年度~2028年度にFS調査の結果を踏まえた実証事業を実施する。2030年ごろには知多市内で年間200万Nm3の水素供給を目指す。
環境省が公募した「令和6年度 既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・FS事業」に採択された。愛知県が代表者となり、事業全体を統括する。
共同実施者とそれぞれの担当は、知多市(水素利用公共施設の検討)、日本環境技研(サプライチェーン全般のFS調査とりまとめ)、明治電機工業(エンジニアリングに関する調査)、知多高圧ガス(水素配送ビジネスのFS)、東亞合成(低炭素水素製造のFS)。協力者は、デンソー(SOEC型水電解装置に関する情報提供)、トヨタ自動車(水素貯蔵モジュールに関する情報提供)、JFEコンテイナー(水素運搬用軽量容器に関する情報提供)、リンナイ(家庭用水素給湯器に関する情報提供)、ブラザー工業(燃料電池に関する情報提供)、大林組(工事現場への水素輸送、エネルギー管理システムに関する情報提供)、コベルコ建機(燃料電池ショベルに関する情報提供)、オートリブ(燃料電池バス導入に向けた情報提供)。
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