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Wednesday, June 10, 2020

みずほ社長、コロナ長期化見据え資本性資金を供給へ-数千億円の需要 - ブルームバーグ

みずほフィナンシャルグループは、新型コロナウイルスによる企業への影響長期化を見据え、優先株や劣後ローンなどのメザニンファイナンスによる対応を進める。資本性のある資金を供給することで、事業展開のパートナーとして顧客との新たな関係構築につなげる。

  坂井辰史社長は5日のインタビューで、新型コロナの影響で企業の「資本に対して下方圧力がかかっている」と指摘。現在は融資などの形で資金の流動性確保に重点を置いて対応しているが、その後は財務体質を強化するため資本性資金の需要が高まるとの見方を示した。

  既に新型コロナ対応としてメザニンファイナンスの相談が1000億円規模寄せられているといい、需要は数千億円規模に上るとみている。坂井社長は、今後グローバルサプライチェーンの再構築など「アフターコロナに向けた取り組みが動きだす」として、事業や経営の知見を踏まえた付加価値も提供できると自信を示した。

Mizuho Financial Group CEO Tatsufumi Sakai Interview

みずほフィナンシャルグループの坂井社長(2019年5月30日)

Photographer: Keith Bedford/Bloomberg

  同社は、2019年4月から5年間の経営計画でビジネス機会の創出や貸出先との間で事業のリスク共有に取り組むことで、非金融分野での顧客との新たな関係構築を目指している。坂井社長は、政策保有株の削減を進める一方、取引先に資本性資金を供給することで「物言わぬ株主でいるのではなく、一緒にリスクを取る新しい取引関係」を築くと述べた。

  新型コロナに伴う同社への資金繰り相談は、これまで国内大企業で約11兆円、個人事業主などが約1.8兆円、海外で約4兆円の申し込みがあり、そのうち約10兆円を実行した。

試されるとき

  新型コロナによる海外事業への影響について坂井社長は、金利低下が収益の下方圧力になっていると述べた。同社は、非日系優良企業にフォーカスした「グローバル300戦略」で社債や株式引き受けなど多面的な取引を進めると同時に、アジア地域の融資や決済など顧客企業の資金を一元管理するトランザクションバンキング業務の高度化を進めている。

  トランザクションバンキング分野は金利低下の影響を受けているものの、本来安定収益源でもあり戦略の変更は考えていないという。リスク管理の枠組みである「リスク・アペタイト・フレームワーク」により、他のメガ銀行が注力するアジア地域での商業銀行展開や航空機リースビジネスなどは限定的にとどめる方針。

  坂井社長は「グローバルの投資適格企業と取引する中でトランザクションバンキングを取りに行く」という同社の戦略が、新型コロナの影響で他行との差がつく要因となるのか、「これから試される」と語った。

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