練馬区平和台にある「もみの樹・練馬」は、大和ハウスライフサポート株式会社が運営する介護付き有料老人ホームです。「メディカル(医療)」「リハビリ」「ケア(介護)」の3本柱で充実したサービスを提供しています。今回は、事務長を務める杉野弘芳(すぎのひろよし)さんにインタビュー。さまざまなニーズを持つ入居者の方をどのようにサポートしているのかを教えていただきました。
24時間看護師常駐だから、さまざまな医療ケアに対応可能
――ずばり、もみの樹・練馬の強みは何でしょうか?
もみの樹・練馬では「メディカル(医療)」「リハビリ」「ケア(介護)」の3つを大切にしています。
――3本柱なのですね。ではまず、1つ目の医療から教えてください。
「メディカル(医療)」については、2002年のオープン以来ずっと、看護師24時間常駐の体制を整えて幅広いニーズにお応えしています。
――具体的にはどのようなニーズに対応しているのでしょうか?
医療的なケアが必要な方を多くお受け入れしています。日中だけでなく夜間も看護師がいるからこそ、対応できるのです。例えば胃ろう・鼻腔栄養など、口からお食事を召し上がれない経管栄養のご入居者は現在14名いらっしゃるんですよ。
――14名もいらっしゃるんですか! 多いですね。
そうですね。ある機会に他の施設のスタッフさんとお話ししたんですが、そのときも「14名は多い!」と驚かれていましたね(笑)。
開設以来ずっとお受け入れしているので、経験やノウハウも蓄積していると思います。
――なるほど。他にはどのようなケアが必要な方がいらっしゃいますか?
代表的なものは痰吸引や気管切開、尿バルーン、在宅酸素、インスリン注射などでしょうか。ご入居の際にネックになりがちなケアでも対応可能なことが多いです。
――医療的なケアに対応できることは、ご入居者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
やはり最大のメリットは、医療的なケアが必要な方に「安心して」ご入居いただけるということですね。
看護師しか対応できないケアが必要だと、それだけで入居先は限られます。看護師が常駐していても「医療ケアが必要な方の受け入れ人数はごくわずか」という施設も少なくありません。また実績が少ない施設だと、入居前も入居してからもご家族は不安を感じるものです。
その点、当ホームでは過去の実績も多く「安心して任せられる」とおっしゃっていただけることが多いですね。
――他の施設で断られた方を受け入れるようなケースもありますか?
多々ありますよ。例えば、経管栄養の方は痰吸引も必要なケースが大半です。しかし「痰吸引には対応できない」と断られてしまったというご相談がありました。私たちは両方対応できますので、問題なくご入居いただけました。
「看護師がいる」というだけでなく、これまでの経験からホームとして本当に必要な対応を把握しています。これからもあらゆるニーズの方をお受け入れしていきたいですね。
言語聴覚士・理学療法士・作業療法士がリハビリをサポート
――続いて3本柱の2つ目である「リハビリ」について教えてください。リハビリの人員体制はどうなっていますか?
作業療法士と理学療法士がそれぞれ1名います。どちらも正社員です。また言語聴覚士が系列の施設を巡回しており、週に2回は訪問してくれます(※2020年11月現在)。
もともとは機能訓練士が1名のみだったんですが、人員を増やしたんですよ。
――やはりリハビリの需要は大きいのですか?
そうですね。特に退院してからご入居されるケースだと、リハビリのご要望が強いと感じます。
そのような背景もあって、個別リハビリは通常週に1回のところを、ご入居後3カ月間は週に3回受けられるようにしています(※2020年11月現在)。
――重点的に取り組めるんですね。
はい。リハビリの目的は「今できることを維持すること」と設定しているんですよ。
――そうなんですね。何かリハビリの特色はありますか?
「POPO(ポポ)」という歩行訓練ツールを導入しています。腰にハーネスを装着して、立ち上がりや歩行を補助する機器です。歩行しづらいと感じている方が5~6名ほど使用されています。負荷を軽減しながら安全に訓練できていますね。
――機械の力も活用しているんですね。他にはどのようなリハビリをしているのでしょうか?
嚥下に関するトレーニングをしています。というのも経管栄養の方が「口から食べられるようになりたい」と望まれるケースも多いのです。巡回している言語聴覚士が嚥下のリハビリに取り組んだり、一人ひとりの状態を判断して普段のケアのアドバイスをしたりしています。
専門のスタッフがいると、実際にリハビリをするだけでなく専門的な視点で状況を判断できるのがメリットですね。
「コンタクトパーソン」が1人ひとりに寄り添います
――ではもみの樹・練馬の3本柱の最後「ケア(介護)」について教えてください。何か具体的な取り組みはありますか?
はい、コンタクトパーソン制度を取り入れています。ご入居者それぞれに、担当のスタッフがつく制度です。
コンタクトパーソンは担当するご入居者に関する情報をキャッチして、今後の方針を中心となって考えるんですよ。
――コンタクトパーソンがいることで、ご入居者にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
他のスタッフ以上により深く関われるスタッフがいるというのは、安心感につながると思います。
あとはご家族が迷わず相談できるので、安心していただけるでしょう。なかにはコンタクトパーソンの出勤予定を確認したうえで、ご連絡くださるご家族もいらっしゃいますよ。
――ご家族にとっても頼れる存在なんですね。コンタクトパーソンが大切にしていることは何ですか?
コンタクトパーソンの仕事は、まず「その方を知る」ことから始まります。そして、基本的な心構えとして「どんなときでもご入居者の味方になること」を大切にしています。
例えば他のスタッフが客観的に見て「ご入居者が言っていることが違うのでは?」と思うような場面でも、コンタクトパーソンは頭から否定しません。背景にある思いや事情などを考えるんです。ご入居者に寄り添える存在を目指しています。
――なるほど。コンタクトパーソンがいるだけでご入居者も心強いですね。ではあらためて施設全体のケアの方針にお話を戻します。他にはどのようなケアをしていますか?
フロア別の介護も特徴ですね。認知症や医療的なケアの必要性など、ご入居者の状況によってフロアを変えています。
――フロアを分けるとどのような利点があるのですか?
「認知症の方のフロアには認知症に精通しているスタッフ」というイメージで各フロアの職員体制などを考えることで、それぞれの状況に合わせたより適切なケアができるようになります。
――状態が変化したらフロアを移動することもあるのでしょうか?
状況によってはありますね。ただし、あくまでもご本人とご家族の同意が得られることが前提です。ご本人やご家族が拒否しているのに、ホームが強制的にフロアを移動させることはありません。
――そうなんですね。フロアを移動する際の判断基準はありますか?
正直なところ、居室の空き状況なども関係しますので明確な基準はありません。心身の状態やご家族のご希望などを総合的に判断して、逐一決定していますね。
看取りケアではコミュニケーションを大切に
――もみの樹・練馬では、看取りにも対応されているそうですね。
はい。これまでに退去された方のうち、4割ほどは居室でお亡くなりになっています。ちなみに残りの6割の内訳でいうと、約5割が病院に入院されてもみの樹・練馬に戻りたいけど戻れずに亡くなられ、約1割はご自宅に戻られたり療養型の病院に移られたりしますね。
――お看取りをするうえで、どのようなことを大切にしていますか?
最期に「もみの樹・練馬」で生活ができて良かったと思っていただけるような看取りができるよう心がけています。終末期に差し掛かった際は普段よりもさらに多くコミュニケーションを取ることは大切にしています。状況も非常に変化しやすいですので、注意深く見守りつつ臨機応変に対応することが必要です。
ご家族との連絡やスタッフ同士での相談や情報共有も必然的に増えますね。特にスタッフ間の相談は「1週間に1回」などの頻度では表せないほどです。
また、コンタクトパーソンの提案によって何かをしてあげるというケースもあります。例えばお部屋にアロマをたいたり、テレビが好きだったけどもう見られない方には音楽をかけてあげたり……。少しでも喜んでいただけそうなことを考えていますね。
日々を豊かにする感動プロジェクト
――その他にも何か特徴的な取り組みがあれば教えてください。
「感動プロジェクト」という取り組みをしています。皆様がより充実した日々を過ごしていただけるように、旅行を企画したり、1人ひとりの夢や希望を実現したりするプロジェクトです。
――それは素敵ですね! 何か具体例を教えてもらえますか?
経管栄養で寝たきりのご入居者がいらっしゃいました。ご実家が山梨にあったのですが、もう住む方もいないため手放すことになったんです。「立ち入れなくなってしまう前に、もう一度家に連れて行ってあげたい」と、ご家族からご相談を受けました。
その方は痰吸引も必要でしたので、ご家族や介護スタッフだけの付き添いでは遠出ができません。そこで、看護師も一緒に出かけることになりました。
山梨まで1日がかりの小旅行でしたが、一緒に行かれたご家族も大変喜ばれましたね。
――ご家族だけではどうにもならないことでも、ホームのスタッフの協力で実現できたんですね。
はい。他にも、あるご入居者は写真が好きで、若いころから撮りためたネガをたくさん持っていらっしゃいました。「せっかくなら披露してみませんか?」というコンタクトパーソンからの提案で、ホーム内に写真を展示することになったんです。
スタッフも一緒にネガを選んで、多くの写真を引き伸ばしました。実際に展示してみると、さながら個展のようになってご本人もとても満足そうでしたよ。
――ここでもコンタクトパーソンの存在が生きてくるんですね。
そうですね。もちろんケースバイケースではありますが、コンタクトパーソンはご本人のこれまでの人生について知るためにも個人年表を作ることもあります。「昔好きだったもの」「大切にしてきたこと」など、より深く理解することができるんです。
コミュニケーションを取りながら理解を深めて、ご本人やご家族が叶えたいこと・やってみたいことを聞き出していくんですよ。
――やりたいことが分かったあとは、どのように進めるんですか?
月に1回、各施設から担当者が集まるミーティングを開催しています(※)。そこで相談しながら、実現できる方法を考えていくんです。ホームの垣根を超えて、意見を出し合いますよ。
※現在はコロナウイルス感染症の影響で中止しています。
スタッフのスキルアップを会社として応援
――ケアの一環として、認知症ケアに力を入れているとうかがいました。
はい。私たち大和ハウスライフサポート株式会社では「D'sケア」という認知症ケアに取り組んでいます。これは会社全体として決めた、認知症ケアの基本となるものです。
社内には検定制度もあり、しっかりと身についているか、実践しているかをチェックしています。
――具体的にどのような内容でしょうか?
「D'sケア」には
一、その方を知ります
一、ありのままを受け入れます
一、共に笑顔になります
という基本理念があります。「D'sケア」のマニュアルを作成してスタッフが勉強をしたり、認知症ケアで実際にあった困難事例などをとりまとめた事例集を作成したりもしています。現在は「認知症ケア学会の事例研究」にも取り組んでいますよ。
他にも2~3カ月にわたって受講が必要な「認知症実践者研修」にも取り組んでいます。必要な時間や費用などは会社が負担して、スタッフには気兼ねなく学んでもらえるようにしているんです。もみの樹・練馬のスタッフも15名ほど受講しましたよ。
難易度の高い「認知症ケア専門士」の取得も推奨していて、2020年は4名ほど受験する予定です。
――会社として、スタッフの学習の機会をバックアップしているんですね!
そうなんです。あとこれはもみの樹・練馬のみの取り組みですが、口腔ケアの通信教育を最近受け始めました。
――施設単位での独自の取り組みということですか?
はい。寝たきりの方の口腔ケアに課題意識があったため、しっかり勉強しようということになったんです。
会社全体としても施設単位でも、スタッフにとって必要な学習やステップアップのサポートができているのは良いところだと思いますね。
1日のスケジュール
――ご入居者の要介護度が比較的高いというお話がありました。平均要介護度や平均年齢はどのくらいですか?
平均要介護度は3.5、平均年齢は90歳です。医療ケアが必要な方も多いですね。
――普段、どのように生活されているのでしょうか? 1日のスケジュールを教えてください。
朝は6時30分ごろに起床のお声掛けをします。着替えなど身の回りのケアをして、7時30分から朝食です。午前中には体操やクイズなどの軽いアクティビティをして、12時から昼食となります。
日によって、週に3回の入浴やリハビリなどがありますね。15時におやつをご用意して、その後は午後のアクティビティです。
夕食は18時ごろからで、20時くらいには着替えなどのケアをして就寝となります。
――アクティビティはどのようなものがありますか?
今はコロナウイルスの関係で実施していないものも多いのですが、陶芸教室やピアノコンサート、健康体操などがあります。サークル活動として、書道や合唱、フラワーアレンジメントなどもしていますよ。
これから入居される方へ
――ホームでの生活について教えていただき、ありがとうございました。改めて、もみの樹・練馬はどのような方におすすめですか?
うーん、そうですね……正直に言うと「どのような方に」ということは特にありません(笑)。例えばフロア別の介護や医療行為への対応など、それぞれのニーズに対応できる体制をご用意しています。
また、介護・看護スタッフは介護保険の基準よりも手厚く「1.5:1」の人員配置です。1人ひとりのご要望に応じて柔軟に対応させていただけると自負しています。
――なるほど。幅広い方にご入居いただけるということですね。施設探しをされている方に、何かアドバイスはありますか?
ご自身やご家族のお気持ちやご要望を伝えることがとても重要だと思います。「こんな生活がしたい」「どういうケアをしてほしい」など、心の中で思っていることはぜひ事前に伝えてください。
正直な思いを伝えていただくことで、いざ入居してから「思っていたホームと違った」という残念な事態も防げるはずです。もし私たちのホームであれば、できないことはできないときちんとお伝えします。
あとは、必ず現地にご見学に行っていただきたいです。その際はできれば、本部から来た営業担当の方だけではなく、実際にそのホームで働いているスタッフとお話ししてみてください。ホームの雰囲気や対応に触れて、ご自身に合っているかどうかを判断していただければと思います。
老人ホーム・介護施設の概要
施設名:もみの樹・練馬
事業者名:大和ハウスライフサポート株式会社
住所:東京都練馬区平和台二丁目50番1号
もみの樹・練馬の詳細ページ
"ニーズ" - Google ニュース
November 29, 2020 at 10:09PM
https://ift.tt/3mkiI4k
メディカル×リハビリ×ケア――幅広いニーズに応える「もみの樹・練馬」のサポートとは? - 介護のほんねニュース
"ニーズ" - Google ニュース
https://ift.tt/3boDo6a
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
No comments:
Post a Comment