世界的な供給不足により、アメリカの玩具店やブラジルのコーヒー生産者らが打撃を受けている。そしてカナダでは、カナダ経済にとってかけがえのない「液状の黄金」、つまりメープルシロップがなくなりつつある。
この事態を受けて、ケベック・メープルシロップ生産者協会(QMSP)は緊急事態用のメープルシロップ備蓄のほぼ半量にあたる約2200万キログラムを放出した。QMSPはメープルシロップ業界の石油輸出国機構(OPEC)と呼ばれる。
メープルシロップ備蓄が使用されるのは3年ぶり。
QMSのエレーヌ・ノルマンダン氏は米公共ラジオNPRに対し、「メープルシロップがなくなって寂しい思いをしないで済むよう、この備蓄を設けています。メープルシロップがないなんて事態には絶対にならない!」と語った。
世界最大の産地
カナダのケベック州は、世界のメープルシロップの4分の3近くを生産している。
QMSPによると、2021年には世界で1億8300万キログラムのメープルシロップが生産され、そのうち6000万キログラムがケベック州産だった。QMSPはすでに来年の収穫に向けて計画を立てており、700万本の木から追加で収穫する方針という。
サトウカエデの木から直接採取したメープル樹液を煮詰めると、メープルシロップが完成する。
メープルシロップの収穫は天候に大きく左右される、骨の折れる作業と言える。日中の気温が0度を超え、夜は氷点下に下がらなければ樹液は採取できない。今年は気温が高く、こうした条件が揃う時期が短かったことから供給量が約4分の1減少した。
QMSPによると、供給量の減少と同時に、世界のメープルシロップ販売量が前年比36%以上増加したという。
過去には、世界中がケベック州産のメープルシロップを切望したためか、大掛かりなメープルシロップの窃盗事件も起きている。
2012年に、ケベック州で保管されていたメープルシロップ3000トン近く(推定1800万ドル相当)が盗まれたのだ。その後、盗まれたメープルシロップの3分の2は回収された。
からの記事と詳細 ( メープルシロップの備蓄を放出、供給不足で カナダ - BBCニュース )
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