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Wednesday, March 16, 2022

ウクライナの食料供給網、ロシア軍の標的に-人道危機悪化の恐れ - ブルームバーグ

ロシア軍は、ウクライナの食料サプライチェーン(供給網)への攻撃を強めている。冷凍鶏肉の倉庫を砲撃しているほか、兵士がトラクターなど農機具を奪い取り、要塞(ようさい)を作ったり、武装車両をけん引したりするのに利用している。

  こうした行動は、世界最大級の食料輸出国であるウクライナで農作業の年間スケジュールを脅かしているだけでなく、人道危機を悪化させている。ウクライナや近隣諸国がロシア軍に包囲された都市から逃げた人々に食料を供給するのが困難になるためだ。一部の主要農業関連企業は戦争が続いた場合、労働者が農地で作業をするのは安全ではないため、今年は一部の 作付けを実施しない方針を示した。

  ウクライナの大手鶏肉生産会社 MHPは、 キエフ近郊の爆撃による倉庫の炎上で850万ドル(約10億円)相当の冷凍鶏肉を失った。この倉庫はウクライナ最大の冷凍食品保管施設だ。同国の南部地域では、道路や鉄道への爆撃で同社施設へのアクセスが制限されており、2000万ドル超に相当する8500トンの鶏肉が危険にさらされている。

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ロシア軍の砲撃を受けたMHPの冷凍食品倉庫(キエフ近郊、3月12日)

Source:MHP SE

  ロシア軍はまた、占領地の農機具を破壊するか、もしくは奪い取った上で地元の人々に要塞作りを強要していると、ウクライナ国防省が 指摘。首都キエフ東部の街スミでは、約30台の機具が13日に爆撃で破壊された。ロシア政府は一般市民を標的にしていることを否定している。

  戦争によって、欧州の穀倉地帯とされるウクライナの農業部門は、世界ではなく自国への食料供給に比重を移すことを余儀なくされつつある。ウクライナは世界2位の穀物輸出国で、ヒマワリ油の最大の輸出国だが、戦争は生産者と流通ネットワーク、積み出し港に甚大な被害を与えている。

Futures swing around highest ever prices

 

  ウクライナ国防省は戦争が「春の種まきを危険にさらすことが見込まれ、一部地域で人道危機につながる恐れがある」と指摘。 「ウクライナの食料の安全保障だけが脅威にさらされているわけではない。わが国は欧州・中国市場へのさまざまな農作物の主要供給国の一つだ」との見解を示した。

原題: Warehouse Bombed, Tractors Stolen as Russia Strikes Ukraine Food(抜粋)

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