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Thursday, June 9, 2022

米、中南米でも経済連携 中国に対抗、供給網など協議開始へ - 産経ニュース

米西部ロサンゼルスで開幕した米州首脳会議で演説するバイデン米大統領=8日(ロイター)

【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は8日、米西部ロサンゼルスで開幕した米州首脳会議で演説し、中南米諸国と新たな経済連携協議を始めると表明した。参加国間で投資の活性化やサプライチェーン(供給網)強化などの分野で協力を深め、経済援助などを通じて中南米で影響力を増す中国に対抗する。米政府高官は記者団に、今年秋に関係国と協議を開始すると説明した。

バイデン氏は演説で「民主主義が世界各地で攻撃されている」と指摘。北米と中南米の米州圏で「民主主義は未来に向けた不可欠な要素だ」と語り、米国の指導力発揮に意欲を示した。

新たな経済連携の名称は「経済的繁栄に向けた米州パートナーシップ」。米政府によると、投資や供給網のほか、脱炭素・生物多様性、貿易などの分野を対象とし、法の支配や高水準なルール整備を目指す。関税引き下げを伴う交渉は対象外とするとみられる。

米政府高官は、まず経済面などで関係が深い国々と経済連携の枠組みを立ち上げ、その後、「時間をかけて門戸を(参加希望国に)開く」と説明した。

バイデン政権は投資分野で、中南米を対象とする国際金融機関「米州開発銀行(IDB)」を通じた投資の活発化を掲げた。投資を通じて、気候変動問題への対処も後押ししていく。

バイデン氏は5月下旬に訪日した際、米国主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の設立を表明したばかり。貿易協定とは異なる緩やかな経済連携を主導し、中南米でも経済面で存在感を打ち出したい構えだ。

定例化している米州首脳会議で、米国は今回、専制主義的なキューバ、ベネズエラ、ニカラグアの参加を拒否した。これに反発するメキシコなど複数の国の首脳が欠席した。

一方、バイデン政権は同会議に際し、食料安全保障で3億ドル(約400億円)の供与を表明した。

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