【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は8日、米西部ロサンゼルスで開幕した米州首脳会議で演説し、中南米諸国と新たな経済連携協議を始めると表明した。参加国間で投資の活性化やサプライチェーン(供給網)強化などの分野で協力を深め、経済援助などを通じて中南米で影響力を増す中国に対抗する。米政府高官は記者団に、今年秋に関係国と協議を開始すると説明した。
バイデン氏は演説で「民主主義が世界各地で攻撃されている」と指摘。北米と中南米の米州圏で「民主主義は未来に向けた不可欠な要素だ」と語り、米国の指導力発揮に意欲を示した。
新たな経済連携の名称は「経済的繁栄に向けた米州パートナーシップ」。米政府によると、投資や供給網のほか、脱炭素・生物多様性、貿易などの分野を対象とし、法の支配や高水準なルール整備を目指す。関税引き下げを伴う交渉は対象外とするとみられる。
米政府高官は、まず経済面などで関係が深い国々と経済連携の枠組みを立ち上げ、その後、「時間をかけて門戸を(参加希望国に)開く」と説明した。
バイデン政権は投資分野で、中南米を対象とする国際金融機関「米州開発銀行(IDB)」を通じた投資の活発化を掲げた。投資を通じて、気候変動問題への対処も後押ししていく。
バイデン氏は5月下旬に訪日した際、米国主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の設立を表明したばかり。貿易協定とは異なる緩やかな経済連携を主導し、中南米でも経済面で存在感を打ち出したい構えだ。
定例化している米州首脳会議で、米国は今回、専制主義的なキューバ、ベネズエラ、ニカラグアの参加を拒否した。これに反発するメキシコなど複数の国の首脳が欠席した。
一方、バイデン政権は同会議に際し、食料安全保障で3億ドル(約400億円)の供与を表明した。
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