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Thursday, September 1, 2022

日銀の資金供給量の伸び止まる、異次元緩和導入後で初めて-8月 - ブルームバーグ

日本銀行の資金供給量は8月に前年比での伸びが止まった。2013年4月の黒田東彦総裁による異次元緩和の導入以降で初めて。新型コロナウイルス感染症の影響で一時悪化した企業の資金繰りの落ち着きが背景にある。

  日銀が1日 公表した「日銀当座預金増減要因と金融調節 」によると、8月31日のマネタリーベース残高は644兆9900億円と前年同月の661兆3402億円から2.5%減少した。ブルームバーグが集計した月中平均残高は656兆8017億円となり、前年の656兆9573億円をわずかに下回った。

  月中平均残高が前年比で減るのは12年4月以来となる。日銀は8月のマネタリーベースの詳細を2日に公表する。

マネタリーベースの伸び鈍化

出所:日本銀行

  最近の伸びの鈍化は20年に導入した 新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペの残高減少が主因。対面型サービスを中心とした企業の資金繰りを支えるために金融機関の利用が急増し、ピーク時の今年3月には約87兆円に達したが、感染症の影響の落ち着きとともに足元では32兆円程度まで減少している。

  日銀が21、21日に開く金融政策決定会合では、9月末に期限を迎えるコロナ対応オペについて終了の是非が議論される見通しだ。

  日銀は 金融政策運営でマネタリーベースに関して「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する」としている。短期的な振れはコロナ対応という特殊要因によるものだが、前年割れによってコミットメントとの整合性を問われる可能性もある。

  日銀は16年9月に現行のイールドカーブコントロール(長短金利操作)政策を導入し、金融市場調節の目標をそれまでのマネタリーベースという量から金利に変更した。量の減少は金融緩和の後退を意味するものではないが、その後の国債買い入れ額の縮小とともに、マネタリーベースの伸び率も鈍化傾向にある。

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