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Thursday, March 23, 2023

卵価格高騰で代替品に脚光、供給不足長期化の様相も選択肢は少なく - ブルームバーグ

卵価格の高騰が続き食品関連企業が対応に追われる中、代替品を手がける一部の企業が脚光を浴びている。卵不足が長期化する様相である一方、価格競争力の観点から現実的な代替品の選択肢が限られるからだ。

  卵風味のパウダーなどを手掛ける UMAMI UNITED(ウマミユナイテッド)には昨年末以降の問い合わせ・サンプル請求数が従来の約30倍に増えた。山崎寛斗社長(29歳)によると、普通のパン屋や給食業者に加え、足元では外食チェーンや加工食品メーカーとも協議が進んでいる。

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「UMAMI EGG FLAVOR」

Source: Umami United Japan Ltd.

  同社製品「UMAMI EGG(ウマミエッグ)」はこんにゃくが主原料なので食感や保湿性に長け、さまざまな用途で使えると同氏は言う。賞味期限が卵と比べて長いことも強みだ。

  同社の製品は500グラム1万円で販売されているが、ケーキなどの製菓に使う場合に少量で済むため、足元の市況をベースとした同社による試算では費用は約2割安くなる。

  ただ、代替品の市場はまだ全体として広がりをみせておらず、参入企業も少ないのが実情だ。国内の大手ではマヨネーズシェア1位の キユーピーが植物性原材料を使った卵風味「 HOBOTAMA(ホボタマ)」を展開しているくらいだ。

  キユーピーの広報担当、稲垣雄一氏はホボタマに対する「市場の関心は卵の価格高で高まっているが、価格面も考慮すると卵の代替としての購買には至っていない」と明かす。ホボタマは60グラムで参考小売価格214円(税込み)で提供され、卵で作るより割高だ。

供給不足の長期化も

  卵価格を巡っては高騰が長期化する可能性がある。日本養鶏協会の阪本英樹事務局長によると、鳥インフルエンザの被害を最初に受けた業者がようやく生産再開に向け準備が整いつつあるところで、今後の発生状況なども見ながら供給の回復には半年以上の時間がかかるとみる。さらに、日本では生卵を食べる文化があるため、鶏肉と違いほぼ国産に依存し、輸入への切り替えは難しいという。

  JA全農たまごの 調べによると、東京都でMサイズの卵の基準価格は3月16日時点で354円と、1年前と比べて77%上昇している。農林水産省によると今シーズンにおける鳥インフルエンザの国内発生は80例と過去最多に達し、かつてない規模の殺処分が実施されたことや飼料価格の高騰などが影響している。

  企業はさまざまな対応を迫られてきた。 帝国データバンクが上場主要外食100社に対して実施した調査によると、年始以降で卵入りメニューの休止・休売に踏み切った企業は3月5日時点で18社で、約2割弱に達する。いずれの企業も「深刻な卵不足」、「価格の高騰」を主な理由としている。

  影響は外食産業に限らない。コンビニエンスストア運営の セブン―イレブン・ジャパンは、プライベートブランドの煮卵やゆで卵の 販売を1月末から取りやめた。ローソンでは、玉子焼きには冷凍卵、デザートには通常の卵を使用するなど使い分けして、影響を抑える工夫をしている。

  卵価格高騰が続けば今は小規模の代替品市場も拡大していくのか。答えは未知数だが、前出の山崎社長は夏には次ラウンドの資金調達を行う予定で、現在米カリフォルニア州で投資家向けの事業説明に渡り歩いている。同社にはすでに初代オラクル日本代表を務め、ベンチャーキャピタルの サンブリッジの創業者であるアレン・マイナー氏などが出資している。

 

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