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Wednesday, June 17, 2020

東京23区の大規模オフィスビル供給量調査 '20 - PR TIMES

■調査結果のポイント
1.供給量の推移
 ’19年の大規模オフィスビル供給量は87万㎡と、過去20年平均(111万㎡)を下回る結果となった。’20年は反発して193万㎡と過去20年で’03年の221万㎡に次ぐ高水準となる。’21年、’22年は一転し、過去20年で最少の供給量であった64万㎡を2年連続で下回る。’23年には再び上昇し、過去平均を上回る132万㎡の供給となるが、’24年には再び急落する。
2.供給エリアの傾向
 都心3区の割合が8割となる。なかでも港区が割合を伸ばしており、’20年-’24年における供給量の割合では全体の5割に迫る。地区別の供給量の推移をみると、’20年-’24年は前年に引き続き「虎ノ門・新橋」が最多になる。「芝浦・海岸」「芝・三田」も上位5地区にランクインしており、港区にての供給が盛んな状況を表している。
3.開発用地別の供給動向
 ’10年以降の開発用地別の供給動向の割合をみると、都心3区においては「建替え」から「低・未利用地(再開発等)」へと、開発用地が変化している。都心3区以外においては「低・未利用地(再開発等)」での供給が主体となっている。
4.中規模ビルの供給動向
 ’19年の中規模オフィスビル供給量は8.8万㎡となり、前年の供給量を下回った。今後も過去10年の平均(12.1万㎡)を下回ることが予想され、中規模オフィスビルの供給量は下落している。一方、’20年-’21年の区別の供給割合をみると、割合では港区が4割を占め、供給量は「虎ノ門・新橋」が最多となり、大規模オフィスビルと同様、当エリアでの今後の発展が期待される。

【総括】
 23区のオフィスマーケットは好調を維持し、'18年に続き'19年もほぼ全ての新築大規模オフィスビルが満室となった。'20年竣工ビルは9割以上が内定し、'21年竣工ビルも既に過半が消化されており、オフィスを求める動きは依然として力強い。'22年以降、供給が集中する'23年を除いては過去平均を大きく下回り、平均で約62万㎡にとどまることから新築大規模オフィスマーケットは堅調に推移するとみられる。
 既存ビルに目を向けると、高い稼働率を背景に賃料も上昇を続けており、こちらも好調である。一方、新築ビルへテナントが移転することにより生じる既存ビルの空室(二次空室)に目を向けると、特に大型テナントが退去した二次空室が散見されるようになってきた。これまで旺盛な内部テナントの増床意欲に支えられてきた既存ビルではあるが、借り手の主役が外部テナントに変化しつつある。引き続き高稼働を維持する既存ビルではあるが、大型テナントの二次空室の動向には注視していくことが必要だ。
 新型コロナウィルスの影響をみると、現時点では既存テナントの解約が大きく拡がる状況にはないが、入退去ともに動きが少なく、様子見の傾向をみせる。一方、一部の大手ゼネコンに見られたような工事中断の動きは短期的なものであり、大きな影響はない。今後は、新型コロナウィルス対策やデジタルトランスフォーメーションによる働き方の変化にあわせ、リアルな空間の価値をより高めていく必要がある。

※詳細については以下のURLをご参照ください。
https://www.mori-trust.co.jp/pressrelease/2020/20200618.pdf

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