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Monday, December 14, 2020

日本のNPOにおけるIT活用とSTOに対するニーズに関する調査を実施 - PR TIMES

【背景】
STOとは、「経営の視点から、ITに関わる活用戦略、人材戦略、投資戦略などをNPOにアドバイスし、実践を主導する人材」を指します。具体的には、事業活動、組織運営の両面でITを活用した「既存事業の改善」「新規事業の開発」「コスト削減」「IT人材の獲得・育成」などに取り組みます。
NPOは社会課題の解決に向け日々取り組む一方、その組織基盤は十分であると言えず、人的・資金的な不足は重要な問題のひとつです。それらを解決するためのIT活用も、専門知識の不足や投資できる資金の不足が制約となり、進んでいないのが現状です。
日本NPOセンター、Code for Japan、ETIC.とNTTデータは、このようなNPOが抱える問題を解決するためにSTOの育成・創出が必要と考え、本調査を実施しました。
 
【調査目的】
STOの育成・創出に向けて、NPOのIT活用やIT人材に関わる実態・課題・ニーズを把握し、NPOによるIT活用に関する活発な議論を促し、新たな制度づくりや支援体制につなげることを目的としています。

【調査要領】
・調査手法:      対象団体にダイレクトEメールで調査協力依頼、オンラインでアンケートに回答
・調査期間:      2020年9月2日~9月30日
・回答団体数:   1,326団体
(特定非営利活動法人 1,060、一般社団・財団法人 90、公益社団・財団法人 85、社会福祉法人 84、その他 7)
・回収率:          回答1,326団体/依頼8,915団体 = 回収率 14.9%

【調査結果の概要】

1. 事業活動におけるIT活用について、現時点では「インターネットを通じた広報の強化」「団体ウェブサイトの改善・機能強化」「オンラインでのセミナーや研修・体験、相談対応など」が中心。将来的には、「オンライン教材の開発・導入」「オンラインでの会話・相談等の自動応答の開発・導入」「情報伝達に配慮が必要な方のサポート」「モバイルアプリの開発・導入」など、より多様な活用方法、より細分化された課題解決に向けた活用に高い関心があることがわかった。

2.組織運営におけるIT活用については、現時点では、「データ・書類の保存、共有」、「会計」「寄付者・会員管理」「テレワーク」が中心であるが、将来的にはテレワークの進展を見越した各スタッフの「業務の可視化」、業務効率の向上に向けた「電子契約」での活用を期待していることがわかった。

3.回答団体の7割を占める年間総支出予算規模5,000万円未満の団体の場合、ITの有給職員がいる団体は3割にとどまっている。しかも、その内の7割の団体が、人数と質ともに人材が不足していると答えている。

4.IT人材の人数と質を確保できない理由について、4割の団体が「原資や予算の不足」を、また、2割が「事業活動や組織運営でのIT活用に関する情報や知識が少ない」を挙げている。少ない予算の中でIT人材への投資には限界がある。

5.4割の団体がSTOを団体内部の人材として活用したいと回答、3割が「わからない」と回答した。「わからない」と回答した団体向けの周知・理解浸透活動の必要性が確認できた。

6.STOに期待する役割として、6割が「組織の事業・運営を向上させるIT活用の提案」、4割が「IT活用のコンサルティング・助言」、4割が「活用するIT技術の選定」と回答した。経営視点でIT活用をアドバイスするSTOが期待されることがわかる。

7. 調査の詳細については下記よりダウンロードできます。

調査結果概要URL:https://www.jnpoc.ne.jp/wp-content/uploads/2020/12/JNPOC_report_ppt.pdf
調査結果報告書全文:   URL:https://www.jnpoc.ne.jp/wp-content/uploads/2020/12/JNPOC_report.pdf

【各者の役割】
日本NPOセンター:  NPO調査委員会事務局、調査票企画・発信・収集、調査分析
Code for Japan:         NPO調査委員会メンバー、調査票企画、調査分析
ETIC.:                      NPO調査委員会メンバー、調査票企画、調査分析
NTTデータ:             調査費支援、調査表企画、調査分析

【今後について】
調査によって、NPOは多方面でのIT活用に意欲的であること、人数・質の両面でIT人材が不足していること、STOに対する具体的なニーズがあることが明らかになりました。一方、資金面やIT活用に対する理解へのハードルの高さも示されています。

今後、4者は、NPOとSTOのマッチングを促進するために、STOの発掘やNPOのIT活用の促進に向けたセミナーを行います。行政や企業に対しては、資金支援や人材支援を働きかけ、社会のなかでSTOが活躍できる基盤づくりや環境整備を推進していきます。

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