市場を取材していると、いろいろなお魚に出合います。
この時期の札幌市中央卸売市場は、旬を迎えた毛ガニのほか、ニシンやカレイといった一度は食べたことのある魚がたくさん並んでいました。
その横に置かれている、見た目がちょっとグロテスクで、あまり見かけたことのない魚が目に入りました。
大きな目と口。背中とお尻には大きなヒレが付いています。な、なんだこれ…。
太平洋沿岸からオホーツク海沿岸、日本海側など、北海道内の広い地域で水揚げされているハッカクです。
トクビレという名前で呼ばれることもありますが、体は硬い骨板に覆われ角張っており、横断面が八角形であることから市場でもハッカクの名で通っていました。
水産卸のカネシメ高橋水産で営業を担当する花田泰隆部長は「この魚に注目するとは見る目があるねー。こんな見た目だけど、味は抜群だよ」とニヤリ。
そう言われても、私はまだ食べたことがありません。いったい、どんな魚なんでしょうか。
ハッカクは白身の魚です。ほぼ通年で漁獲されていますが、旬は12月から4月にかけての冬だそうです。
この日、市場には主に十勝沖で水揚げされたハッカクが並んでいました。1ケース4~9匹入りで、大きいものでは体長が40センチ以上ありました。
漁獲量の少ないハッカクは、北海道が調査する公式な統計などの対象にはなっていません。札幌市中央卸売市場が調べたハッカクの取扱数量を見てみました。数量はおおよそ50トンから90トン前後で推移し、2022年は昨年比39%増の73・8トンでした。
「ハッカクは30年ほど前までは雑魚として扱われ、市場では流通していませんでした。浜の漁師さんだけが食べているものでしたが、『おいしい』と評判になり、出回るようになったんです」(花田部長)
取材に伺ったこの日、卸値は高いもので1キロ2千円程度でした。
花田部長は「ハッカクは身にヒラメ以上の弾力があって、脂乗りも良い。ヒラメは1キロ3千円程度です。個人的には、おいしくてヒラメより安い、大変に『お得』な魚だと思いますよ」と強調していました。
そんなにおいしい魚なのに、なかなかスーパーなどの売り場でお目にかかる機会は少ないように思えます。
なかなか私たちの目に触れにくい背景に、ハッカクの漁獲が「まぐれ」に左右されることが影響しているようです。...
からの記事と詳細 ( ごつい見た目のハッカク、味は「ヒラメ以上」も安定供給に課題<北の食トレンド>:北海道新聞デジタル - 北海道新聞 )
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